組織や集団に属していると、上下関係があります。目上の人に対しては「先輩」という呼び方をするでしょう。
今回は先輩というものの役割について、考えてみました。
先輩という言葉への違和感
個人的な経験から言えば、先輩という言葉をよく使うようになったのは中学生になってからだったような気がします。周囲の同輩達も上級生の人達に使い始めてましたね。上下関係についてより気を使うようになったのも、中学からだったようにも思います。
小学生同士までであれば、学年が上の人に対しても、タメ口でもあまり問題なかったような気がしましたが、中学からは敬語を使わないとまずいという雰囲気が、なんとなく感じられました。争いのもとになるのも嫌なので、きちんと先輩と呼ぶようにはしましたが。
最近では、先輩という言葉は海外でもSenpaiとして広まっているらしいですね。本来の意味とは違うみたいですが…。このことから、先輩は上下関係を重視する日本ならではの言葉と言えそうです。
ただ、私は先輩と呼ばれると違和感を抱くことが多いです。別にそこまで偉いわけでもないのにと思うからです。というより、偉いか偉くないかという基準を、私はあまり重視していないのかもしれません。
ちなみに高校以降は、後輩からは先輩より、さん付けで呼ばれることの方が多くなりましたが、こちらは違和感はないですね。…あくまで私個人の価値観によるところが大きいのでしょうが。
後輩に何かを与えてこそ先輩と呼べる
たまたま、誰かより先に生まれたから、先に組織に入ったからといって、それだけで偉いわけではありません。
先に経験をしているからこそ、それをもったいぶらずに後輩へ教えてあげる。それこそが、先輩としての役割です。
自分の方が上だからといって、後輩達をどう扱っても良いというわけではありません。
「俺様の方が年上なんだから、お前ら後輩どもは俺様の言う事を聞きゃいいんだよ!」
なんて威張っても、本心からついてきてくれる人はあまりいません。立場的には逆らえないので、表面上は従うかもしれませんが、本音は別であることが多いでしょう。
先輩だからといって、後輩の言う事には一切耳を傾けず、自分の都合だけを一方的に押し付ける。こんなことをしても、お互い幸せにはなれません。
後輩から教わることもあるし、友人にだってなれる
後輩の話を聞いてあげると、自分では気づけなかったことを教えてもらえる時も結構あるものです。
私は相手の方が年上だろうが年下であろうが、人の話にはきちんと耳を傾けたいと思っています。目下の人に対しても、尊重するのを忘れない。誰だって、自分にはない長所を持っているだろうと思うので。
私には10年以上の友人がいます。学生時代の部活で一つ下の後輩でしたが、最初からタメ口でしたし、先輩と呼ぶことは少なかったです。
しかし、私自身はそこまで上下関係を重視する人間でもなかったためか、あまり不快な気分にはなりませんでした。タメ口ではあっても、私に対して攻撃的な振る舞いをしてきたわけでもなかったので。
むしろ、先輩とか関係なしに、遠慮なく本音で話してくれるからこそ、お互いの考えや価値観を共有できました。おかげで、今でも連絡をとりあって、一緒に遊べる友人になりました。
人付き合いはお互いの尊重が大事
先輩後輩、上下関係を重視すれば、円滑なコミュニケーションの役に立つこともあるでしょうが、上が下に何かを与えるのではなく、下から何かを奪うような形になってしまうと、その関係は長続きしないでしょう。
誰に対しても尊重し、話を聞く。こうすることで、お互い幸せな関係を築くようにする。人付き合いで、これだけは忘れないようにしたいものです。